養蜂の指導していただいているのは、昨年の「山のシューレ」で、体験ワークショップ「ミツバチが結ぶ、人と自然 ミクロでマクロな環境学」をしていただいた養蜂家藤原誠太さん。明治後期から、ニホンミツバチによる養蜂を手がけてきたのが岩手県にある藤原養蜂場の三代目で、20年も前から「日本在来種みつばちの会」を立ち上げ、全国を飛び回り、ニホンミツバチによる養蜂について啓蒙を続けています。独自のニホンミツバチの飼育方法を開発(藤原式)し、銀座での「銀座ミツバチプロジェクト」や皇居周辺での養蜂に成功し、各界から脚光を浴びている養蜂家として知られている方です。
一般的に市場に流通している蜂蜜は外来種であるセイヨウミツバチのものであり、彼女たちは効率的にたくさんの花の蜜を集めることができます。そのため桜や栃、栗、ニセアカシア、萩など花の時期毎に種類(味)の異なる蜂蜜を収穫することができます。一方、在来種であるニホンミツバチはセイヨウミツバチと比較すると蜜の採取量は少ないため、収穫するまでに何種類もの蜜源を必要とします。しかしニホンミツバチがつくる蜂蜜は、奥深い複雑なうま味が感じられるなどの特徴をもっています。
飼育していたミツバチが大量消失する蜂群崩壊症候群(CCD)が話題になっていますが、ニホンミツバチには特に影響がないようです。また、古くから日本に生息していたため、セイヨウミツバチに比べ耐病に優れ、各種外敵にも抵抗力が強く、山野に自生する在来の植物の受粉能力にも長けているのだそうです。
藤原さんになるまでには相当時間がかかりそうですが、藤原さんの指導のもと、二會川河岸上部など二箇所にニホンミツバチ用の巣箱を置き、日夜、二期養蜂場を目指して目下奮闘中です。
●安心で、安全な食材をお届けしたい。
それがキッチン・ガーデンの原点でした。
下野(しもつけ)のけは「毛」で、穀物を意味しているそうで、それだけ昔から栃木は五穀豊穣の肥沃な土地だったのでしょう。いまでもそれは変わりなく、米や麦の穀物を始め、トマト、ナス、白美人葱などの野菜など、那須地方もいろいろな農作物が収穫されていますが、二期倶楽部のあるところは山を切り開いたところです。そのため農作物の作付けには必ずしも適していないのです。この地で本格的に自家菜園を始めて10年。ひげさんこと山中秀人自らが重機を入れ、土留めのためのよう壁の大きな石を積み上げました。土壌改良を始め、肥沃な土に入れ替える作業に明け暮れた日々。夏場には急な激しい雷雨が襲い、たちどころにせっかく入れた肥沃な土が一気に流れ出すなど、苦難の連続でした。「初めて収穫できたときは、いつまでも忘れられないね」とひげさんは懐かしそうに語ります。今ではキッチン・ガーデンの野菜収穫、そして年間を通した管理は、地元の専門家や農家のおじさん、おばさんにお支えをいただいています。
日増しに濃くなっていく緑の樹々の間にバイカウツギの清々しい白い花が咲き乱れています。パビリオンコートからキッチン・ガーデンに着くと、カモミールが満開、甘く熟した野苺は6月3日からの夏メニューでソースに使ってお客さまに楽しんでいただいています。
春の植付けもようやく一段落です。白茄子、水茄子、賀茂茄子、米茄子、秋茄子、甘長唐辛子、ピーマンなどのナス科の野菜をはじめ、ズッキーニ、キューリ、まくわ瓜、スイカ、南瓜などのウリ科の野菜、さらにはゴーヤ、枝豆、トウモロコシ、里芋、セロリ、根セロリ、アイスプラント、トレビス、サンチュ、ちまサンチュ、レタス数種、スナック隠元、モロッコ隠元など......。その収穫物が食卓をにぎわせるようになるのも、もうすぐです。
露地の畑の植付けは7割ほど終わり、今度はビニールハウス内をトマト畑に植え替えするので大忙しです。ビニールハウス内は赤・黄のミニトマト数種、大きいトマトの苗も沢山植え付け、すでに実を付けはじめたものもあり、今年は少し早くお客さまにお楽しみいただけそうです。
シェフ 飯島 豪