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August 2013

サンショウ [山椒]

前回はイヌザンショウでしたが、

今回は本物のサンショウをご紹介します。


現在、実が写真のように表面が赤くなっています。


山椒の実は取る時期により利用法が分かれます。

未熟な緑色の実は「青山椒」で、実全体がちりめん山椒などに使われます。


今後、秋にかけて中から黒い種子が顔を出してくると「割山椒」です。

香辛料として使うのは、種子を包んでいる「果皮」という部分で、

黒い種子には香りがありません。


この「割山椒」を細かくすりつぶした「粉山椒」が、

おなじみのウナギのかば焼きにかける山椒です。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


キツネノマゴ  [狐の孫]

キッチンガーデンの隅などで、キツネノマゴがひっそりと

2~3㎜の小さな花をつけていました。

面白い名前ですが、由来ははっきりしていません。


最初に見たときは、花の形から、

シソ科かゴマノハグサ科の植物だと思っていましたが、

調べたところ、キツネノマゴ科でした。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


イヌザンショウ [犬山椒]

田んぼの脇の斜面に、たわわに実を実らせた木があります。

サンショウにそっくりですが、残念ながらこちらは「イヌザンショウ」で、

葉をたたいても香りが出ず、実を香辛料として使うこともできません。


最初に「イヌ~」と付く植物は本種以外にも

イヌツゲ、イヌムギ、イヌタデなどいろいろありますが、

これは「食べらない~」「役に立たない~」という意味です。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

モミジガサ [紅葉傘]

露天風呂の隣の木道を上りきったところで、

モミジガサの花が咲いています。


目立つ花ではないですが、控えめなところが日本人好みな感じです。


モミジの葉にそっくりな切れ込みのある葉は、

春先に山菜としててんぷらなどにして食べるとおいしいです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ヤクシソウ [薬師草]

ヤクシソウ [薬師草]


二期の森のあちこちで、ヤクシソウの黄色い花が見られるようになりました。

同時期にみられる、良く似た黄色いキク科植物にアキノキリンソウがありますが、

ヤクシソウは茎を抱くように葉が付くので見分けが付きます。


日に日に咲く花が移り変わり、夏が刻一刻と過ぎていくのを感じます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

クリのイガイガ

クリの木に、緑色のイガイガができ始めました。

トゲトゲはまだ柔らかいので、触ってもあまり痛くありません。


9月下旬になると中の実が熟した茶色のイガイガがたくさん落ちてきます。

ニホンザルなどの森の動物たちが喜んで食べています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ツリガネニンジン[釣鐘人参]

提灯のような花が特徴のツリガネニンジンがキッチンガーデンで咲き始めました。

生薬でも利用され、その際は「沙参(しゃじん)」と呼ばれ、

咳止めなどののどの痛みに効きます。

また、芽ばえは、おひたしやきんぴらなどにしても、おいしく頂けます。


森のコンシェルジュ 横塚 久美

ミツバウツギ [三葉空木]

ツリーハウスの近くで、特徴的な形の実をつけた木があります。

こちらはミツバウツギです。


三枚の葉が出て(三出複葉)、

花がウツギの花に似ていることからこの名があります。


袋状の実には、中に種が入っており、鳥たちのエサになります。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ユウガギク [柚香菊]

二期の森で、野菊の一種、ユウガギクが咲き始めました。

ユズの香りがする菊という意味ですが、

実際は花も葉もユズの香りはしないという不思議な草です。


まだ日中は蒸し暑く、セミの鳴き声が響いていますが、

野菊が咲いているのを見ると、秋が近づいてきたのだなと感じます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ヤブラン [藪蘭]

東館、本館の客室周辺や、アートビオトープの植え込みなどで、

ヤブランの花のつぼみが膨らんできました。


パステルカラーの優しい紫色は、見るだけで癒されます。


秋には1cm位の紺色の実ができます。

そちらは、皮をむいて地面にたたきつけると、

スーパーボールのように弾む面白い性質があります。

ぜひ試してみてください。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ミソハギ [禊萩]

東館やキッチンガーデンで、ミソハギの紫色の花が咲き始めました。

名前の「ミソハギ」とは、「ミソギハギ」の略で、

お盆の時、このミソハギの枝を水に浸し、

仏前の供物に水を振り掛けて「禊ぎ(みそぎ)」をしたことと、

花がハギに似ていることからきています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

現在の田んぼ

本日もよく晴れ、青空が広がりました。


田んぼの稲もだいぶ穂が出てきており、

時折吹く風にさらさらと揺れていました。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ススキ [芒]

田んぼの隣にある斜面で、ススキの穂が出始めました。


秋の七草「萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)

、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、朝顔(あさがお:キキョウのこと)」

のひとつで、「尾花(おばな)」がススキです。


秋の七草のうち、二期倶楽部の敷地内では、

ナデシコとオミナエシ以外の5種が見られます。


ちょうど十五夜の時期、ススキが風でなびく後ろに、

金色の稲穂が広がる景色が見られ、大変美しいです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ヤママユガ [山繭蛾]

アートビオトープの駐車場付近で、

黄色で目玉模様をもった巨大な蛾が地面に張り付いていました。


こちらは、「ヤママユガ」です。

成虫は口が退化しており、幼虫時代に蓄えた栄養のみで生きています。


「天蚕(てんさん)」とも呼ばれ、

薄緑色の繭からとれる絹糸は非常に美しいですが希少で、非常に高価です。

それ故に「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ゲンノショウコ [現の証拠]

二會川のほとりで、ゲンノショウコの花がひっそりと咲いていました。


胃や腸の薬として有名で、

名前の由来は、服用するとすぐさま効果が表れることからきています。


その優れた薬効により、「タチマチグサ」「イシャイラズ」などの別名もあります。


二期の森には、ゲンノショウコ以外にもセンブリ、リンドウなどが生え、

薬草の宝庫となっています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

闇夜の中の東館

夜になり、あたりが暗くなってきた時の東館メイン棟です。


照明が、優しく闇夜に浮かびあがって見えます。

私はこの幻想的な明かりがとても好きです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ノササゲ [野大角豆]

現在、二期倶楽部の敷地の藪で黄色の花を咲かせているマメ科のつる植物です。


葉の感じはミツバアケビにそっくりで、

私が大学生のころ、調査の時に同定(植物の名前を特定すること)

するのに苦労した覚えがあります。


秋になると、サヤエンドウのミニチュア版のような形の果実を実らせます。

色は濃い紫色で、遠くからでもよく目立ちます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


イチビ [莔麻] 

現在キッチンガーデンでよく見られる雑草のひとつです。


もともとは、平安時代の昔から繊維をとるために栽培されてきた

歴史のある有用な植物だったのですが、

現在では野生化し、逆に畑の厄介者扱いされています。


ただし、現在爆発的に増えているのは、平安時代から栽培されていた品種ではなく、

第二次大戦後に入ってきた変異種が主です。


見分け方は、種の色が白だったら昔からの品種、黒だったら大戦後の変異種です。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ブラックベリー

キッチンガーデンのブラックベリーが熟してきました。

その名の通り、黒くなったものが食べごろで、赤いものはまだ未熟です。


種が大きいので、そのまま食べるとガリガリとした食感がします。

少し酸味も強いので、生食よりは種を裏ごしして取り除き、

砂糖を加えてジャムやソースにすると、よりおいしく食べられます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


タマアジサイ [玉紫陽花]

8月上旬まできれいに咲いていた

セイヨウアジサイやガクアジサイは見ごろを過ぎてしまいました。


現在、アジサイ科ではノリウツギという花が見ごろです。

次に見頃を迎えるのはタマアジサイです。


現在は、このような玉状のつぼみの状態です。


これから8月下旬になると、

ガクアジサイに似た白い花を咲かせます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


チョッキリムシ

本館の池前のお部屋近くを歩いていると、

まだ緑色のドングリが付いたコナラの枝先が落ちているのを見つけました。


風で落ちたにしては、切り口が刃物で切られたようにスパッとしています。


こちらは、「チョッキリムシ」という昆虫の一種、

「ハイイロチョッキリ」の仕業です。


この虫は象の鼻のように長い口を持っており、

その先の丈夫な顎でドングリに穴をあけ、卵を産み付けます。


そのあと、ドングリを枝ごと切り落とすのです。


これからの季節はハイイロチョッキリの産卵シーズンで、

同じような枝先部分が二期の森のあちこちで見られるようになります。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

アオカナブン [青金蚉]

夏の虫とりではカブトムシやクワガタが大人気ですが、

朝に樹液の出ている木に行くと、

このアオカナブンもよく見かけます。


メタリックな緑色が、まるで宝石のようです。


「カナブン」の名前の由来は、

ぴかぴか光る金属光沢があることと、

飛ぶときに「ぶ~ん」という音を立てるからだそうです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ワルナスビ [悪茄]

現在、キッチンガーデンや、

アートビオトープの駐車場付近などで、

ナスよりもだいぶ小さな花を咲かせています。


名前を聞いただけでキラワレ者であることが明らかな植物です。


繁殖力が大変強く、耕運機などで地下茎を切っても、

個々の切れ端から新しい個体ができるという、

まるでプラナリアのような再生能力を持っています。


また全草にソラニンという毒を含んでいるほか、

全体的に鋭いトゲが多く、うっかり藪に足を踏み入れると結構痛いです。


このキラワレ具合は万国共通らしく、

英語でもDevil's tomato(悪魔のトマト)と呼ばれています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

クズの花

秋の七草のひとつ、クズの花が咲いています。


今でこそ、強い繁殖力のため厄介者扱いされているクズですが、

昔は、クズの蔓から繊維をとって布を作ったり、

根から漢方薬として使われる葛根を作ったりと

人の生活に密着し、利用されていた重要な植物だったのです。


そのため、クズは定期的に刈られて、

現在のように繁茂していなかったのです。


時代とともに、植物と人とのかかわり方はずいぶん変わったものです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ヤブガラシ [藪枯らし]

森の道の脇の薮などで、ヤブガラシがはびこり、

花が満開に咲いてきました。


繁殖力の強いつる植物で、藪の上などを覆い尽くして繁殖し、

枯らしてしまうほどだということから名づけられました。


そんな厄介な植物ですが、花は昆虫たちに大人気らしく、

近くを通るといつもミツバチの羽音が聞こえます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ツチアケビ [土木通]

東館46号室前に、真っ赤な色のソーセージのような不思議な物体が出てきました。


森にはいたるところにキノコがたくさん出ているので、

最初はカエンタケという猛毒キノコが出てきたのかと思いましたが、

よく調べてみるとツチアケビというラン科の植物でした。


実がアケビに似ていて、

土からニョキっと出ているのでこの名がついています。


ナラタケというキノコに栄養的に寄生しており、

葉は退化しています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


久しぶりの夏らしい日

長い間、雨や曇りの天気が続いておりましたが、

昨日からは、久しぶりに夏らしい陽気が続いています。


本館の大谷石の間から差し込む日差しが美しいです。


日向はさすがに暑さを感じますが、

二期の森の木陰に一歩踏み出すと、一気に体感温度が変わります。


二會川のせせらぎに耳を澄ませ、

その流れに手を浸せば、さらに涼しさが増します。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ヒヨドリバナ [鵯花]

二期の森のあちこちで、ヒヨドリバナの花が咲いています。


フジバカマの仲間で、花の雰囲気がよく似ています。

フジバカマと同じく、アサギマダラという水色の美しい蝶が好む花です。


ヒヨドリが鳴くころに花が咲くことが名前の由来言われていますが、

ヒヨドリの鳴き声は一年中聞こえるので、定かではありません。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

コウモリ

一昨日、東館レセプションにてコウモリが現れました。

どうやら迷い込んでしまったようです。


吸血鬼のイメージのあるコウモリですが、

血を吸うのは一部で、昆虫などを食べています。


コウモリの顔がネズミに似ているので、

天鼠(てんそ)、飛鼠(ひそ)とも呼ばれています。


森のコンシェルジュ 横塚 久美


キアゲハの幼虫

ハーブガーデンで水遣りをしていると、

イタリアンパセリの茎にキアゲハの幼虫を見つけました。


イタリアンパセリはもう種の季節で、ほとんど葉がないのですが、

わずかに残った葉を一生懸命食べているようです。


黄緑色と黒のショッキングな色をしたこの芋虫が、

あの美しいキアゲハになるとは、自然の神秘です。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


モッコクの花


東館パビリオン周辺に生えているモッコクの木に、

花が咲いています。


写真を撮っていると、花に群がる蜂たちの羽音が聞こえてきました。


美しい葉と樹形をもち、

江戸時代の昔から庭木として重宝されてきました。


今は白い花をつけていますが、秋になると真っ赤な実が生ります。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ノリウツギ[糊空木]

東館で、ノリウツギの白い花が咲き始めました。


名前の由来は、樹皮から出る粘液を和紙をすく時の糊として使ったことと、

茎を切ると中が中空であることから。


葉をゆっくりちぎってみると糸を引き、面白いです。

アジサイの仲間なので、花もよく似ています。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

ヤマハギ [山萩]

二期の森のあちこちで、ヤマハギの小さな花がちらほらと咲くようになりました。


古代の日本人にこよなく愛されており、秋の七草に数えられるとともに、

万葉集では桜を抑えて最も多く詠まれている花です。


萩の花の咲く時期と牡鹿が鳴く時期が同じことから、

古来の和歌には萩と鹿とが一緒に読まれることが多かったようです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


シラキの実

東館から本館へ向かう橋に、写真のようなお茶の実に似た物体がたくさん落ちています。


こちらは「シラキ」の実です。


木の本体は、ちょうど端に向かう階段の横に生えています。


秋になると、葉は淡いパステルカラーの黄色やピンク色に紅葉し、

大変美しいです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


ウバユリ [姥百合]

本館と東館を結ぶ道の脇で、ウバユリの花が見ごろとなっています。


名前の由来は、花が咲くころに「葉がない」=「歯がない」ということで

「姥百合」となったといわれています。

しかし、本当は花盛りの時にも、多少は傷んでいますが葉はあります。


ヤマユリなどと比べて華やかさは劣りますが、

大人の女性といった感じの、気品のある落ち着いた雰囲気の花です


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


イワタバコ [岩煙草]

東館から川沿いを通って本館に入る手前で、

岩の表面から直接葉っぱが出ているように見える植物がイワタバコです。


現在、このような紫色の星形をした花を咲かせています。


あまりにひっそり咲いているので、気づかずに通り過ぎてしまいそうです。


きれいな花なので、山野草として人気があるほか、

若い葉は山菜として食用にもなります。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

フシグロセンノウ [節黒仙翁]


夏の森の中、鮮やかな朱色をしたフシグロセンノウの花は森の中でよく目立ちます。


名前の「フシグロ」とは、茎の節の部分が黒いことを示していますが、

「センノウ」の部分については由来が諸説あります。


思わず摘んで持ち帰りたくなりますが、

県によっては絶滅危惧に指定されるほど貴重な植物となっていますので、

そっと見守ってあげましょう。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳

スイレン[睡蓮]

立床石の隣の池で、真っ白なスイレンが咲いていました。


水面には、青々とした木々の葉が映りこみ、

幻想的な風景が広がっていました。

まるで、モネの絵から抜け出してきたようです。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳


真夏のアジサイ

山のシューレも終了し、8月に入った現在でも、

二期倶楽部ではアジサイが美しいです。


写真は東館49号室の前のアジサイです。

淡い青と紫が涼しげな雰囲気を演出してくれます。


花の色はお盆過ぎくらいになるとと褪せてしまうのですが、

花自体はドライフラワーとなって残り続けます。


冬には二期倶楽部の雪景色を背景に、

セピア色のアジサイがアクセントを添えてくれます。


森のコンシェルジュ 阿久津 瞳