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May 2009

二期の森 5月

5月初旬は山の桜がようやく満開を迎えました。
 
そして中旬、林床の草本類の緑がすっかり落ち着いたころに
木々たちはいっせいに芽吹きます。

一日ごとに大きくなる葉、濃くなる緑。
大地の力強さを感じさせてくれるひとときです。

R0013299CCC.JPGのサムネール画像

[5月3日]

R0013441CCC.JPGのサムネール画像

[5月9日]

また、新緑と重なるように、低木のツツジたちが咲き、色鮮やかなフジの花、
卯の花ともいわれるウツギ、スイカズラ科の花々が咲き乱れました。
 
hime utsugi5CCC.JPGのサムネール画像

[ヒメウツギ]
 
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[タニウツギ]
 
足元には雑草とも呼ばれるシロツメクサやムラサキツメクサ、
オオイヌノフグリ、ヘビイチゴ、ハコベなどの花々が広がり、
ランの仲間や、フデリンドウ、マムシグサなどが見られました。

mamushigusa2CCC.JPG

[マムシグサ]
 
そして何より美味しい野いちごがたくさん実り、
木苺やブルーベリーもたくさん花が咲きましたので
これからの収穫が楽しみです。

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[クサイチゴ(木苺)]
 
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[菜の花]

やがて下旬にはすっかり初夏の装いに変わりました。
 

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[ミツデカエデの大木]

 


森のコンシェルジュ
舘田 貴明

エゴノキ

果皮に"えぐみ"があることからエゴノキ。
また、ろくろ細工に使われるから、ロクロギとも言われています。

日本全国の山地に普通に分布しているためか、
ずいぶん安易な名前をいただいてしまったものです。

できれば美しく咲き広がる、この花に対して
名付けてもらえれば良かったですね。


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舘田 貴明

エゾヘビイチゴ (野いちご)

キッチンガーデンでは小さな野いちごが豊作です。

たくさん集めてほおばると、甘酸っぱい味が口中に広がります。


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舘田 貴明

ギンリョウソウ [銀竜草]

「ユウレイタケ」とも言われる、ギンリョウソウの花が出現しました。

この植物は光合成を行わず菌類に寄生しているため
葉緑体がなく、全体が真っ白になっています。

普段は土の中に生息し、花の時期だけ地上へと蠢きます。


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舘田 貴明

ハナニガナ [花苦菜]

二期の森の奥で、鮮やかな花畑が広がっていました。

まるでタンポポが群生しているように見えますが、
こちらはハナニガナの花です。

すらりとした草丈、風にそよぐ黄色い花々は
どことなく上品に見えます。


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舘田 貴明

ニシキウツギ [二色空木]

名前のとおりに白色と紅色と、二色の花を
咲かせるのはニシキウツギの木です。

咲き始めの花は白く、徐々に紅色に染まってゆきます。

那須ではこの他に、はじめから紅色の花を咲かせる
ベニバナニシキウツギも見られます。


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舘田 貴明

イロハモミジ [いろは紅葉]

まだ透き通るような若葉に囲まれて、イロハモミジの種が風に揺られていました。

モミジの仲間は種子にプロペラのような翼(よく)があり、
種が風に運ばれるときに、より遠くへ飛ぶようになっています。

 
よい風に乗れるといいですね。

 
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舘田 貴明

カマツカ [鎌柄]

丈夫で折れにくい特性から、鎌の柄などに利用されるため
カマツカと呼ばれています。

便利な用途もさることながら、ふわりふわりと咲き集まる
純白の花も美しいものです。

二期の森、5月は白い花々がたくさん彩っています。


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舘田 貴明

オトシブミ

伝えたいことがあるのに、周りの人が気になってしまい
なかなか自分の気持ちを打ち明けられない。

携帯電話などの無い昔の人たちは、道などでその人の前を歩いて、
わざと拾ってもらえるように手紙を落としました。

その「落とし文」に見立てています。

森の落とし文は、昆虫のオトシブミが作ったものです。
くるまった葉の中には卵が入っていて、
孵化した幼虫は葉のゆりかごの中で、葉を食べながら成長します。


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舘田 貴明

マルバダケブキ [丸葉岳蕗]

フキのような葉っぱに、キクのような花。
何より1m近い草丈が遠くからでもよく目立ちます。

高山植物として7、8月に咲くと紹介されていることが多いですが、
高山とはいえない那須連山の中腹ほどにも生息しています。
標高が低いためか、5月下旬に花を咲かせます。

二期の森は首都圏より1~半月程度、春の訪れが遅くなりますが
高山植物たちは一般的な時期よりも早く咲き始めます。


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舘田 貴明

ヤブデマリ [藪手毬]

白く目立つ花びらのように見えるものは装飾花といい、
アジサイなどと同じように萼(がく)が変化したもので
実際の花はその真ん中にある小さなものです。

無理に萼を花のように見せているためか、5枚のように分かれる
装飾花の1箇所はいつも小さくなってしまいます。

美しい花になりきるのは、きっと大変なのでしょう。


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舘田 貴明

ホオノキ [朴の木]

約40cmの大きな葉が印象的なホオノキは、花までも威圧感があります。
実は日本の樹木の中で、葉も花も最大のものなのです。

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<正面から見た花>

また、その激しいまでの甘い香りも特筆すべき点ですが、
残念ながら花も高い位置に咲くため、なかなか体験することができません。

朴葉みそに使われる葉は、このホオノキのものを使います。
この葉には殺菌作用があるため、食べ物を置くお皿代わりにも使われていました。

山地では普通に見られる樹木で、古くから人々に利用されていた歴史があります。



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舘田 貴明

トキワハゼ [常磐爆]

春先から秋口まで、足元にはトキワハゼの花を見つけることができます。

指先くらいの小さな花ですが、密集しているものはなかなか風情がありますね。


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舘田 貴明

ツリバナ [吊花]

小さなツリバナの花が咲いていました。

吊り下げられた花たちは、秋になると
よく目を引き付ける不思議な形の実になります。
また、ニシキギ科の植物ですので、
美しい紅葉を楽しむことができます。

しかし、緑色の地味な花は注意深く探さないと
気付かずに通り過ぎてしまいそうです。

どうやら今の時期は、あまり目立ちたくないようですね。

 
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舘田 貴明

ゲンゲ [紫雲英]

レンゲ(蓮華)とも呼ばれるゲンゲの花が道端で咲いていました。

この植物はマメ科で、窒素固定能力が高いため緑肥として
よく田んぼなどに植えられていました。

現在では化学肥料の発達などのためか、風になびく色鮮やかな
蓮華畑を見る機会は少なくなりました。

那須では道路の隅でひっそりと咲いています。


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舘田 貴明

ミズキ [水木]

春先、枝を傷つけると水が滴り落ちるほど
樹液が多いため、ミズキと名づけられました。

小さな白い花たちが、清々しく咲いています。


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タニギキョウ [谷桔梗]

沢沿い、うっすらと木漏れ日が差すようなところには
タニギキョウの花が静かに咲いています。

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ムラサキツメクサ [紫詰草]

シロツメクサはオランダからガラス製品を輸入する際に
クッション材として利用されていたものが、全国に広がったものです。

こちらは牧草としてヨーロッパから導入されました。

那須は牧場がたくさんありますので、きっとどこからか侵入してきたのでしょう。


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ユウシュンラン [祐舜蘭]

こちらはギンランと近縁種のユウシュンランです。

ギンランと同様に菌類への栄養依存が大きいため、
葉が小さく、そのためか花とのバランスが合わないように見えますね。

ラン科の植物は世界中に分布し、日本だけでも230種もあります。
栄養素は菌類より、花粉の媒介は昆虫に頼るものが多く、
それらの環境にも合わせて細かく進化してきました。

その結果獲得してきた、他の花々にはないラン科特有の趣は
観賞用として高く評価されると同時に、乱獲の対象になってしまいました。

 
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ギンラン [銀蘭]

ギンランが森の中で咲いていました。

ラン科の植物はどれも独特の美しい花を魅せてくれます。
ただ、明るい森に潜む菌類に依存した生活史を送っているため、
現在ではそのような環境が少なくなり、
栃木県を含む多くの各都道府県で絶滅危惧種とされています。

 
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新緑

本日の那須は風が強く、名残惜しそうに咲く八重桜の花を
跡形もなく吹き飛ばしてしまいました。

5月も中ごろに入ると、すっかり森の緑が濃くなったように感じます。
暦の上でも立夏を過ぎ、どうやら季節は初夏を迎えたようです。


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「心よき青葉の風や旅姿」 正岡 子規

爽やかな風にまかせて、何処か遠いところへ運ばれたくなりますね。
 
 

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フジ [藤]

ほのかに甘い香りが風に運ばれてきました。

森の中では早くも、鮮やかなフジの花が咲き誇っています。


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マルバアオダモ [丸葉青梻]

マルバアオダモの霞むような白い花が、
新緑の中で控えめに咲いていました。

森の木々も、それぞれが様々な花を付けますが、
高いところにあるのが難点ですね。


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ウワミズザクラ [上溝桜]

ぽんぽんと面白いかたちの花を咲かせているのは、
ウワミズザクラという桜の一種です。

およそ桜のイメージとはかけ離れているように見えますが、
小さな花ひとつひとつは、桜の形をしています。

花たちがあまりにも先の方に集まりすぎるので、
桜の雰囲気が失われてしまうのでしょう。


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ヤマツツジ [山躑躅]

遠く霞む山々には雪がうっすらと残っていますが
二期の森ではヤマツツジの花が咲き始めました。

澄み渡る青空、初々しい木々の緑、
朱に染まる鮮やかな花はよく映えます。


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ドウダンツツジ [満天星躑躅]

満点星躑躅と書いて、ドウダンツツジと読ませます。
その名に相応しい小さな花を無数に咲かせていました。

東館パビリオンコート。
ミツバツツジの薄紫に続いて、真っ白な花が新緑によく似合います。

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ドウダンツツジは秋の紅葉も素晴らしいです。


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シロヤマブキ [白山吹]

大型連休後半、今にも降り出しそうな重たい雲の下。

シロヤマブキが真っ白な花を咲かせていました。


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チゴユリ [稚児百合]

上の写真は近くで撮っていますが、実際は指の先くらいの小さくて可愛らしい花です。

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恥ずかしそうに下を向いて咲いているので、気付かずに通り過ぎてしまいそうです。


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ワサビ [山葵]

アブラナ科のワサビも春先に花を咲かせます。

森の中に生えているので、陸ワサビになるのでしょうか。


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ブルーベリー

キッチンガーデンではブルーベリーの花が満開になりました。

この花ひとつひとつが、美味しいブルーベリーの実になるかと思うと、
今からワクワクしちゃいますね。


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クリンソウ [九輪草]

「九輪草」と書きますが、必ずしも9輪咲くわけではありません。
輪生する花を、五重塔などの屋根から突き出た「相輪」に見立て、
「九輪草」と呼ばれています。

二期の森の渓流沿い、鮮やかな色が映えていました。


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舘田 貴明

カスミザクラ [霞桜]

5月初旬、山の桜が満開です。

ソメイヨシノの花も終わり、新緑の始まった二期の森の中では、カスミザクラが
ひときわ美しい花を咲かせていました。

みずみずしい若葉に添えられて、純白の花びらがより一層引き立ちます。
木々の間から見えるその淡く白い容姿は、まさに名前の通りでした。


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舘田 貴明